気になってたのに爆上げした銘柄が気になって、結局高い位置でエントリーしてしまった…
いいところで終わった漫画の続きが気になる…
あなたも一度は経験があるでしょう。
今回は、この心理に関わるツァイガルニク効果についてご紹介します。
投資家の心理についてまとめた記事はこちら
ツァイガルニク効果とは
ツァイガルニク効果
人は達成できなかった事柄や中断している事柄の方を、達成できた事柄よりもよく覚えている現象
簡単に言えば、続きが気になる現象であり、中途半端に終わった事柄がより記憶に残りやすくなります。
この「続きが気になる」「最後まで読みたい」という心理がツァイガルニク効果です。
テレビ番組での「ダイエットに効く食材は○○だ!答えはCMのあとで」というように、答えや結果が知りたくて仕方がなくなる例もツァイガルニク効果のひとつです。
ツァイガルニク効果の実験
ツァイガルニク効果は、ゲシュタルト心理学者クルト・レヴィンの仮説をもとに、心理学者ブルーマ・ツァイガルニクが実験で検証し、名前がつきました。
彼女が行った実験は以下の通りです。
まず、被験者をAグループとBグループの2つに分けて工作や計算問題などの課題を与えます。
この時、それぞれのグループには次のような条件で課題をしてもらいます。
Aグループ:最後まで課題を完了して次の課題へ移行する
Bグループ;途中で課題をストップして次の課題へ移行する
すべての課題が終わった時点で、それぞれのグループに「今やった課題にはどんなものがありましたか?」と質問します。
すると、課題を途中でストップさせられたBグループの方が、最後まで課題を完了したAグループの約2倍の数の質問に答えることができました。
このような実験によって「何事もなく最後まで完了させた事柄よりも、中途半端に終わった事柄の方が記憶力を向上させる」ことが証明されました。
ツァイガルニク効果の例
ツァイガルニク効果は先に挙げた例以外にも、多くの場面で使われています。
テレビドラマやアニメなどの連載作品
テレビドラマやアニメなどを観ていると、いつもいいところで放送終了時間がきて「このあとの展開が気になる」と感じます。
主人公のライバルが登場したりピンチになったり、新事実が明らかになったり…
続きがあることを匂わせながら中途半端に終わるのが特徴です。
中途半端に終わらせて視聴者の記憶に強く残すことで、次回も見てもらいやすくなります。
インターネット上のコンテンツ
ニュースのコンテンツの多くは、最初の1ページ目だけは無料で読むことができますが、2ページ目からは会員登録が必要になり有料になっています。
また、マンガが読めるアプリでも、最初の1冊は無料で読めるが、2冊目からは有料になるものがあります。
どちらも途中まで読んでしまっているため、「続きが気になる」と感じさせて購入させることが狙いです。
ツァイガルニク効果を仕事に活かす
ツァイガルニク効果をうまく使えば、仕事の効率を上げることができます。
多くの人はキリの良いところで仕事を終えて帰りますが、ツァイガルニク効果を踏まえると、キリの良くないところで仕事を切り上げることがポイントです。
次の日にする仕事に少し手をつけておいたり中途半端に終わらせることで、そのことが気になって「終わらせよう!」という気になります。
敢えて中途半端なところで終了させることによって、終える前の作業のことが強く記憶に残り、翌日続きを再開した時にスムーズに仕事がしやすくなるのです。
疲れてきた時や効率が悪くなってきた時におすすめの方法です。