理路整然と曲がる
これは有名な相場格言ですが、自己欺瞞と深く関係します。
理路整然と曲がるとは、エコノミストやアナリストなどの正しく見える理論から相場を予測する理論家・専門家の予想はよく外れるという意味の相場格言です。
これは専門家でなくとも当てはまります。
熱心に研究をし、自分の理論・考えに自信を持つほど自身の間違い、問題に気づきにくくなります。
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自己欺瞞とは
自己欺瞞
自分に問題があることに気が付いていない状態
「欺瞞」とは、「だます」「あざむく」という意味です。
自己欺瞞とは、自分で自分の心をだましている状態だということです。
自分の良心や本心に反しているのを知りながら、それを自分に対して無理に正当化している状態だといえます。
自分の問題に気づけない為、問題を更に増やす、悪化させる原因となる場合もあります。
自己欺瞞に陥っている人の特徴と具体例
自己欺瞞に陥っている人の特徴
・真実であってほしいことを信じる
・問題に気が付かない
自己欺瞞の例
あなたが職場で困っている同僚を見かけたときに「自分が助けなければ」と感じたとします。
しかし、あなたは最初に感じた自分の考えとは反対に同僚を助けませんでした。
そのうちにあなたの中には最初とは全く違う考えが生じます。
「私は他の仕事で忙しいんだ…」
「あの人だって私を助けてくれたことがない…」
これは、同僚を助けなかったことを正当化するために自分で自分を信じ込ませようとしているのです。
「忙しいから助けられなかった」
「あの人だって私を助けてくれたことがないから、私が今助けなかったことは悪いことではない」
と自分が信じたい真実を証明する根拠を探しているということです。
この時あなたの中では真実は消え、問題がどこにあるのかが見えなくなってしまいます。
これが「自己欺瞞」です。
「真実であってほしいことを信じる」ことは、自己欺瞞に陥っている人にとっては、もはや「真実」になってしまいます。
たとえ問題が起きたとしても、自分が正しいという前提で物事を進めていったり、責任の放棄または無責任であることを正当化したりするなど、行き過ぎると自分にとっても周りの人にとっても悪影響を及ぼす恐れがあります。
自己欺瞞から抜け出すには~
自己欺瞞は無意識に行われます。
だからこそ、自分に問題があることに気づかず、人間関係を壊してしまうなど、事態を悪化させます。
自己欺瞞から抜け出すには、自分自身を知って自分の問題に気が付く必要があります。
そのためには、自分自身を見つめて言い訳せず、自分の責任を放棄しないことが大切です。
「自分がとった行動は、自分で選択した結果である」という自覚を持つことで、無責任にならず本当に正しいことは何かを見極めることができるようになるため、自己欺瞞から抜け出すことができます。
相場における自己責任
相場は自己責任という言葉がよく使われますが、情報発信者の免罪符、逃げ口上となっていることも多いです。
他人の発言の中にある自己責任というのは、私はこう言ってるけど、それによって貴方が損しても責任は取りません。といった意味が含まれています。
必ずしもそうとは限りませんが、他者を陥れる、つまり嵌め込むために発信されている情報もあります。
そういった情報でも自己責任といっておくことで逃げ道ができます。
相場において自己責任なんてことは誰かに言われるまでもなく、当然のことで間違ったことは言っていません。
しかし、他人の情報を鵜呑みにするイナゴ投資家の中には、
失敗したトレードを情報発信者のせいにする人
自分以外のせいにしたいという人間の弱さを利用・煽動し、情報発信者を攻撃する人
もいます。
自己責任という言葉をネガティブに使うのではなく、自分の問題を見つけ出し、問題を増やさない悪化させないように使うほうが生産的です。
自己欺瞞は誰にでも無意識のうちに起こり得るものです。
こういうものがあると知っているだけでも、問題を意識し、解決できる可能性が高くなります。