一般的に、楽観主義と悲観主義でどちらが絶対に正しいということはなく、状況によります。
しかし、投資でも、それ以外でも、より成功を収めやすいとされる側はあります。
今回は、投資やビジネスシーン等で例を挙げて、悲観主義と楽観主義についてお話します。
投資家の心理についてまとめた記事はこちら
悲観主義と楽観主義とは
悲観主義(ペシミズム)
世界や人生がもともと不幸と非合理に満ち、それ以外のあり方はないとする立場をいい、日常の用語としては物事を悲観的に考える心理的傾向
楽観主義(オプティミズム)
世界や人生の価値や意義を究極的には肯定的に認める立場をいい、日常の用語としては物事のなりゆきをすべて良い方向に考える心理的傾向
ビジネスでの例
ビジネスシーンの例を挙げます。
ある商品の納期が3日後で、その準備に追われていたとします。
その時、悲観主義の人は「あと3日しかない」と考え、楽観主義の人は「あと3日もある」と考えます。
世間では楽観主義を良いこと、悲観主義を悪いこととするイメージが強いかと思いますが、その通りだとは言えません。
上の例でいうと、悲観主義の場合「あと3日しかない」と考えることによって作業スピードが上がり、予定よりも早めに準備を終えられるかもしれません。
逆に、楽観主義の場合「あと3日もある」と考えることによって心に余裕ができ、それが気付かないうちに作業スピードを落とす原因になるかもしれません。
このように、悲観主義と楽観主義はどちらが良くてどちらが悪いとは決めることができません。
投資での例
投資では、暴落・急落時が一番わかりやすいでしょう。
楽観的すぎると暴落・急落への警戒が疎かになり、一度で資金を失うことにもなり得ます。
大きなギャップダウンや含み損が発生している時でも、反発するかもという楽観的な思考が取り返しのつかない損失を生む場合もあります。
そして、マイナスポジに都合のいい自分の考えを正当化します
「ここが底だ、何か出れば反発するだろう」
「最初の見立て(ロスカットライン)は正しかったのだから、自分の考え方自体は間違ってない」
損失を拡大させる思考パターンの一例
— lee (@lee33130526) 2018年8月20日
悲観的すぎても、暴落後に底値で仕込める時のような大きな利益を得るチャンスを逃します。
例えば、2018年は一年を通して大きな下落が何度もあり、年末の下落時にもまだ下があるのではないか、と買い向かえなかった投資家も多いです。
結果的には、そこから4月末まで日経平均は上昇しました。
保有銘柄が大きな含み損となった時、更に下落することを恐れ、底値で投げてしまう場合もあります。
個人には珍しくないですね
損失が一定額にいくと確定させるのが怖くて損切りできない
そこから更に損失が積み上がる、時間が経過すると今度はそのポジを持ち続けるストレスに耐えられず適当なところでぶん投げる
— lee (@lee33130526) 2018年8月20日
暴落時の投資家心理の時と近いことが言えるかも
予期せぬ悪材料でS安級の大幅GDは、直近買った人の玉全てが-10%超の大きな含み損
→自分の許容できる損失額を超えている場合、損失を確定させる恐怖が生まれ寄りで損切りできない
→圧倒的S安ではなく、大幅GDで寄るなら尚更リバを期待し損切りできない https://t.co/MvDD06dNiH— lee (@lee33130526) 2018年6月15日
売りで取り返すと決めたのは100%寄りで売り建てれば勝てると確信していたからです。何故なら全面安で-10%気配orストップ安多数の中でカットの決断を下せる個人は多くないからです。当然大量の個人が大きな含み損を抱えて場が始まるので常に大きな売り圧力があります。
— lee (@lee33130526) 2018年2月6日
投資においても、絶対的にどちらが良いという訳ではなく、状況によるということです。
ただし、これは資金管理含めたトレードルールを明確にし、実行していれば、ある程度管理できます。
悲観主義と楽観主義のバランスをとる
悲観主義と楽観主義のどちらかに偏りすぎることには注意が必要です。
例えば、何かを調べようと検索サイトを開くとします。
この時、多くの場合が「予想している答え」や「期待する内容」のイメージを持っています。
そして、(無意識に)そのイメージに沿ってキーワードを入力して検索し、そのイメージに近いサイトを開いて読みます。
読み進めていく中で、望み通りのサイトではない限りは「これは違う」としてまた別のサイトを探します。
問題なのは、ひとつのサイトだけを見て満足してしまうことです。
「やっぱり思った通りだった」→「やっぱり自分はだめなのか」「やっぱり自分はこのままでいいんだ」と決めつけてしまいます。
複数のサイトをみるにしても、偏った情報ばかりをみているとそれにつられて決めつけや思い込みが強化されてしまいます。
人の言動のパターンや選択は、知識や思い込みに影響を受けるます。
自分が悲観主義なのか楽観主義なのかを知り、自分の傾向とは反対の情報を取り込む必要があります。
物事を判断する際には、どちらかに偏りすぎていないか注意することが大切です。
成功を収めやすいのは悲観主義?楽観主義?
悲観主義と楽観主義、より成功を収めやすいのは楽観主義です。
成功している人は、ネガティブな人よりポジティブな人が多いです。
成功に必要な要素は沢山ありますが、まず継続することが挙げられます。
ネガティブな気持ちで一つのことを継続するのは難しいです。
「こんなに成果が出た!」「まだこれからだ!」
とポジティブに捉えるのか
「これだけしか成果がない」「続けても無駄だろう」
とネガティブに捉えるのか
同じ結果を得た場合でも、捉え方次第で継続できるのかどうかが分かれます。
偉大な起業家や投資家・投機家たちも一度や二度の大きな失敗、それこそ破産までいくような失敗を経験している場合が多いです。
彼らが大きな成功を収めたのは、成功するまでやったからです。
結果がでないまま、負けたままやめたら失敗となるのは当然のことです。
またポジティブである方が多くの挑戦もするでしょうし、機会も増えます。
ネガティブな思考だと挑戦する前に失敗を恐れて、或いは失敗すると思いこみ、挑戦の機会が減ります。
成功するまでやるなら当然、トライ(試行回数)が多いほうが最終的に成功しやすいですね。