人間関係において、私たちは日頃よく会う人に対して好意を抱きやすくなっています。
最初はたいして興味のない人でも、何度か会っているうちにだんだんと印象が変わっていきます。
人は見知らぬ人に対して、相手の行動を予測しづらいため、警戒心をもちます。
そのような相手には無意識に好意度を下げ、逆に見慣れた相手に対しては警戒心が薄れ、好意をもちやすくなります。
投資対象についても、人と同じことがいえます。
また銘柄をしらべていくうちに、どんどんその銘柄が魅力的な、すごい銘柄に思えてきた…
という経験は多くの人が経験したことがあると思います。
今回はその理由についてもご紹介しています。
投資家の心理についてまとめた記事はこちら
単純接触効果とは
単純接触効果
刺激対象に繰り返し接しただけで好意度が高まる現象
ザイアンスの実験
心理学者ザイアンスは、大学生たちに多くの人の写真をランダムに見せ、印象を尋ねました。
この時、人物によって写真を見せる回数を変えています。
結果、初めて見る人に対する好感度が一番低く、見せる回数が多いほど好感度が上がるということが分かりました。
単純接触効果の対象
単純接触効果は、対象が人である場合に限らず、単語・絵・音などにも生じます。
CMの音楽やキャッチフレーズが印象に残りやすいのも単純接触効果で説明できます。
熟知性の原理とは
熟知性の原理
単純に接触するだけでなく、対象のことを知れば知るほど好感度が上がる現象
小説に作者のプロフィールが載っていたり、SNSを活用する企業をよく見かけますが、それらも熟知性の原理を狙ってなされています。
商品やサービスを売り込むと同時に、消費者を企業のファンにしてしまうというマーケティング方法です。
投資の場合
銘柄を調べていくうちに、どんどんその銘柄が魅力的に思えてきた経験はありませんか?
これはまさに、熟知性の原理の典型的な例だと言えます。
銘柄を調べて、深く知れば知るほど、その銘柄にほれ込んでしまいます。
よく聞く言葉で
「銘柄に惚れるな」
というものがあります。
これについては、熟知性の原理と併せて、コンコルド効果も関係してきます。