「銘柄に惚れるな」
よく目にする言葉ですよね。
今回は、この言葉の裏にある投資家心理、コンコルド効果をご紹介します。
投資家の心理についてまとめた記事はこちら
コンコルド効果(サンクコスト効果)とは
コンコルド効果(サンクコスト効果)
ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をし続けることが損失につながるとわかっているにもかかわらず、それまでの投資を惜しみ、投資がやめられない状態
意味は同じですが、経済学では「サンクコスト効果」、心理学では「コンコルド効果」といいます。
コンコルド効果の由来
コンコルドとは、かつてイギリスとフランスによって共同開発された大型の旅客機で、開発には多額の資金が投下されました。
ところが、開発が進むにつれてコンコルドを完成させても、
「燃費が悪い」「乗せられる人数が少ない」
などの問題により、投資した分の予算を取り戻せないことが分かりました。
すでに膨大な投資をしてしまったイギリスとフランスは引くに引けず、損をするとわかっていたにも関わらずコンコルドを完成させました。
開発段階で予想されていた通り、コンコルドを飛ばせば飛ばすほど収益がコストに見合わなくなっていき、赤字額は数兆円にまで膨らみました。
最終的に、コンコルドはわずか16機ほどの生産で終わり、運航も中止となりました。
大きな投資をしたため執着心が強くなってしまい、損失が出るとわかっていても撤退することができない現象は、この事例から「コンコルド効果」といわれるようになりました。
コンコルド効果(サンクコスト効果)の例
コンコルド効果(サンクコスト効果)の例は以下の通りです。
・2時間上映の映画の開始30分でつまらなくなってしまったにもかかわらず、今まで観た30分の時間とチケット代1,800円がもったいなく感じ、我慢して最後まで観る。
・長蛇の列に並び、待ち時間に耐えられずに並ぶのをやめようかとも思うが、途中で列から離れたら今まで並んだ時間が無駄になってしまうと思い並び続けてしまう。
・UFOキャッチャーでなかなか取れないゲームだと気が付いたにもかかわらず、それまでに投資したお金が悔しくて意地になる。
・投資銘柄の業績が悪化して株価が下がってしまい、業績が良くなるというシナリオが完全に外れているのに損切りできない。
どの例も、過去の投資がもったいないという心理が現在の意思決定に影響を及ぼしています。
コンコルド効果(サンクコスト効果)対策
それは「過去」のことは忘れて「今」を意識することです。
過去に大きな投資をしていたとしても、「今」の自分はどう判断をするのかを考えることが大事です。
執着が大きな損失につながることもあります。
損失が出ると気が付いたなら、早めに撤退を決断することが重要です。