相場でも働く心理効果としてアンカリング効果というものがあります。
これはタイトルのように株価が急落した時に安いと思って買ってしまう心理です。
急騰した銘柄の急落や指数トレンド転換時の早い段階で買い急ぎ損失を増やす個人投資家は多いです。
今回は、アンカリング効果についての説明と高値で買わされないようにするにはどうすべきかを書いています。
投資家の心理についてまとめた記事はこちら
暴落・急落しても押し目と思い込んでしまうアンカリング効果
アンカリング効果
最初に提示された数字や情報が基準となり、その後の判断が無意識のうちに影響を受けてしまうこと
船を固定する時には碇を用い、「碇を下ろす」ことを「アンカリング」といいます。
碇を下ろすと、船が動ける範囲は碇のロープの範囲内に限られます。
このように碇のロープによって船の動ける範囲が影響を受けることに例えて、マーケティングにおいても「アンカリング」という言葉が使われています。
人は情報が充分に揃っていない場合、ある特徴や断片的な情報を重視してしまう傾向があり、これを利用しているのがアンカリング効果です。
物を購入する際には私たちには必ず何らかの判断基準があり、まずその商品の価値判断の基準を設定してから、その後の判断を調整します。
この時、その商品の相場や通常価格などの知識がないなど価値判断基準を設定するための情報が充分にない状況では、最初に注目した情報や数値によって判断基準に偏りが出てしまいます。
人の判断基準は、相手にある情報を提示されるだけで無意識にそれに引きずられてしまいます。
アンカリング効果の例
例として家電量販店でふとパソコン売り場の価格表示を見た場合を考えてみます。
<例> 家電量販店の価格表示
通常価格70,000円のところ、商品入れ替えのため35,000円!!
この場合、値引きされた後の35,000円とは別に値引きされる前の70,000円という価格がアンカリング効果として影響しています。
最初に70,000円という情報を提示されたことでその後の判断が無意識に影響を受け、35,000円という価格がお買い得に感じるのです。
アンカリング効果は、以上に述べたようにその商品に対する情報がない場合に働きます。
したがって、もともとパソコンを買おうと思って事前に価格を調べた上で上記の価格表示を見た場合には、すでに相場や通常価格を知っているためアンカリング効果は働かないことになります。
アンカリング効果が働く場合
アンカリング効果が働く場合 → 相場や通常価格を知らない
パソコンの価格表示「通常価格70,000円のところ、商品入れ替えのため35,000円!!」
Aさん「このパソコン半額だ!半額ということはかなりお買い得だな」
→知識・情報不足の為、高値で購入する
アンカリング効果が働かない場合
アンカリング効果が働かない場合 → 相場や通常価格を知っている
パソコンの価格表示「通常価格70,000円のところ、商品入れ替えのため35,000円!!」
Aさん「半額でも相場の値段より高いな」
→知識・情報があり、高値であると判断できる為、購入しない
高値で買わない為には
当たり前のことですが、
事前の研究、分析、調査によって高いのか安いのか判断できる情報、知識を得ることが重要です。
事前準備が大事ということですね。
内包された材料・業績の期待値・上値余地を正確に把握すること。
優位性のある売買ポイントの見極め・手法を確立していること。
イベントや市況を把握すること。
上記の一つでも簡単ではありません。
簡単そうなイベント情報や市況を把握しておくことだけでも、どこから情報を得るのが良いのかを見つけ、情報確認を習慣化する必要があります。
実際に、何月何日にどのようなイベントがあるのか把握している人は多くないです。決算ですら知らずに跨いでいたというのもよくあります。
システムトレードなら
私が実践しているシステムトレードは、ストラテジーに完全に従う限りにおいて、イベントや市況、ファンダメンタルズ面やストラテジー外のテクニカル面を気にしなくて良いです。
ストラテジー通りに実行することが重要なので、高値掴みなんて概念はありません。
高値掴みになりにくい(勝てる)ように検証し、ストラテジーを組んでるわけですからね。
決して手抜きということではなく、その分事前の研究に膨大な時間を費やしています。
過去20年のデータ検証による優位性の確認は勿論、多人数の実践導入による優位性の確認も継続して行っています。
実際に使えるストラテジーを組むまでに、シストレツールだけでなくエクセルなどを使って、あらゆる角度からデータ分析を繰り返しました。
昨年2018年から今年2019年まで続く難しい相場環境でも結果を残しています。
2019年もストラテジー1優秀ですね。
実際には急騰(+10%以上)しても手仕舞い条件に該当しなかったみたいなパターンがそれぞれのストラテジーで存在するから、半益を裁量で上手くできれば勝率かなり上がりそう。脳死でも十分なパフォーマンスだけど。
ペイオフレシオ4.82、完璧に損小利大。 pic.twitter.com/cdfoR5zi7X
— lee (@lee33130526) 2019年5月31日
兼業だと投資の為にかけられる時間には一定の制限がつきます。
特に、デイトレードなどの超短期のトレードはライフスタイルから向いていない場合が多いです。
私がシステムトレードの研究をしたのは、兼業でも実践できる点と再現性(つまり特別な才能が無くても誰でも同じ結果を得ることが可能)、時間と労力に対する効率に拘ったからです。
たいして研究もせず、イナゴやなんとなくでトレードするより、少しでも優位性のあるストラテジーでシステムトレードをするほうがマシです。
経験・知識の無さを約20年のデータが補ってくれるので、検証ツールとしてはとても優秀です。
無料なのでイザナミは是非使って欲しいと思います。
まとめ
アンカリング効果とは、最初に提示された数字や情報が基準となり、その後の判断が無意識のうちに影響を受けてしまうことです。
事前の情報・知識が不足していると、判断基準が最初に提示された数字や情報しかない為、高く買わされます。
株に関しても、買い物をするときも事前に十分な情報収集をしておくことが大事です。