この記事では、自分と周りの人の比較についてご紹介します。
周りの人とご自身を比べる時はありますか?
あの人みたいになりたい!と思ったり、あの人よりは自分の方が…と考える方がいらっしゃるかもしれません。
自分と周りの人を比べるのは人として当然のことだと言われていますが、この記事によって比較についてより深く理解することができ、ご自身にとってどのような比較のしかたが合っているのかを見つけることができるでしょう。
比較のしかたを知ることで、ご自身も人も前向きになることができるはずです。
無意識に周りの人と比較する
人は、自分の意見や能力を評価したいという欲求があるため、自分と他人の意見や能力を無意識に比較する傾向があります。
これを「社会的比較理論」といいます。
自分の学力を知りたいと思った時は、標準的な学力検査を受けて自分の成績の相対的な位置を確認することができます。
また、自分のメイクが濃すぎないかを同僚や友人と比べて確認することができます。
ただ、比較の対象をいつも自分と近い立場の人にするとはかぎらず、自分より上の相手を対象にする比較のしかたと、自分より下の相手を対象にする比較のしかたがあります。
以下に例を挙げてご紹介します。
誰と比べるかで気分が変わる?
比較には、自分より上の相手と比較する「上方比較」と、自分より下の相手と比較する「下方比較」があります。
上方比較
自分よりも優れた人や幸福な境遇にある人を比較の対象にします。
あの人はすごいな。私もあんな風になりたいな。
下方比較
自分よりも劣っている人や自分よりも不幸な人を比較の対象にします。
あの人よりも私の方がまだマシだな。
向上心があり、自分を高めようと努力している人は上方比較をすることが多く、自信や向上心が低下している状況にある人は下方比較をすることが多い傾向にあります。
また、自分の優越性を確かめたり、自分が人よりも幸せであると感じたい時は下方比較をすることがあります。
こう見ると、前向きに生きていくため・人と良い関係を築くためには上方比較をする方が良いように思えます。
しかし、上方比較によってあまりに立場が上の人と比較すると、その人と自分との差を大きく感じてつらくなってしまうこともあります。
上方比較が常に良い結果をもたらすとはかぎらないということです。
そして、下方比較にも同じようなことが言え、下方比較が良い結果をもたらす場合もあります。
例えば、落ち込んでいる人を励ます時です。
気持ちやプライドが傷ついて落ち込んでいる時は、下方比較によって自分より下の人を意識することで気分が回復しやすいです。
したがって、落ち込んでいる人と同じくらいかそれよりも不幸な自分の話をすれば、相手の気が紛れて少し元気になってくれるかもしれません。
A「最近こんなことがあって、落ち込んでるんだ…」
B「大変だったね…。でも私なんて~~~(相手よりも不幸な話)だったけど、なんとかなったからあなたもきっと大丈夫だよ!」
A「そうだったんだ…。うん、私も大丈夫だよね」
相手が気を遣ってしまう可能性があるので、相手よりも不幸な話といっても引いてしまうような大きな出来事は避けるように注意しましょう。
あくまで相手の気が紛れたり、落ち込んだ状態から少し抜け出せる程度の話をすると良いです。
上方比較と下方比較を上手に使っていくことが生きやすくなる秘訣だといえるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?自分と周りの人の比較についてご紹介しました。
◎社会的比較理論…自分と近い立場の人と自分を比べることで、自分の能力を正確に評価したり、意見や態度が妥当であるかを確認したりすること。
◎上方比較…自分よりも優れた人や幸福な境遇にある人が比較の対象。
◎下方比較…自分よりも劣っている人や自分よりも不幸な人が比較の対象。
◎上方比較によって自分を鼓舞することができたり、下方比較で人を励ましたりできるため、状況によって上手く使い分けることが大切。
無意識に人と比べることは人間として当然のことだと言われています。
ただ、どのように比較するか・比較した結果どのような方向にいくのかはとても重要です。
人を傷つけず、かつ自分も前向きになれる比較の仕方ができると良いと思います。