システムトレードで運用ポイント~裁量トレードはしても良い?

この記事では、個人投資家が株でシステムトレードをやる際のストラテジーの運用ポイントを簡単にまとめています。

私が開発、運用しているストラテジーや一般的な個人投資家の資金規模を考慮して、具体的な金額を交えてお話します。

1シグナルあたりの資金投入の目安はどれくらい?

私が販売しているストラテジーを基準とすると、1つのストラテジーが平均して1年に100シグナル程度出ます。

実現可能な期待値を最低水準に設定している4%だとすると、1ストラテジーで1銘柄50万でも

50万×100×0.04=200万/年

となります。

個人投資家でシステムトレードの運用を考えている方は、1銘柄50万を一つの目安にしてください。

 

私の開発したストラテジーでも、シグナル数が少ない時に仕掛けるより、多いほうが期待値が高いという傾向は、一般のストラテジーに比べて緩和していますが、少なからずあります。

少ない時にカツカツで運用するより、余裕を持って期待値が高いタイミングでしっかり資金を入れられるような運用をした方がパフォーマンスは上がります。

この傾向や一般のストラテジーの問題点について詳しく解説しています。

https://dibss.net/kabu-systemtrade/systemtrade-evaluation-methods/

50万という設定について

① ストラテジーに株価制限の条件がある為、2単元以上ポジションを取れ、一部損益確定(分割利確)が可能な水準となる
② 個人投資家の運用資金で効率良く運用可能
③ ②の運用資金と上記のように年リターンを計算した時に額面的に一定のリターンが期待できる

 

①にあるように、私のストラテジーでは株価制限を設けていますが、一般に販売されているストラテジーでは資金量が少ない、または仕掛けの資金量が少額で設定されているにも関わらず、株価上限が高い、或いは上限がない場合があります。

例えば、一銘柄50万までの仕掛けを想定しているのに、検証に株価1万円などを含んでいる場合などです。

これは、実際には50万以上は仕掛けることができない、取引できない状況を含んでいる為、検証結果を歪める原因となります。

 

ストラテジー販売において、なぜこのようにしている出品者がいるのか、そのメリットを考えてみると、

ごく少額から運用できるとしておくことで購入者の対象を広げることができる

総取引数を増やすことで過剰最適化されていない優秀なストラテジーに見える

などが挙げられます。

具体的な表示のされ方としては、運用可能資金を30万以上~としているのに、ストラテジーは株価3000以上も含めている場合などです。

初期資金30万で始めると、株価3000円以上のものは資金が増えるまでは仕掛けられないことになります。

 

一般的なストラテジーには、実運用に適していない大きな欠点がいくつもあります。

以下の記事で7000文字の大ボリュームで詳しく解説しています。

https://dibss.net/kabu-systemtrade/systemtrade-evaluation-methods/

50万では少なすぎる場合

運用資金が大きく50万では満足できない場合は、運用するストラテジーを増やす方が良いです。

流動性も考慮しなければいけない為、1銘柄への投入資金が大きくなりすぎるのは好ましくありません。

複数のストラテジーを運用することで分散できます。

損益確定は基本的にシグナルの手仕舞いに従う

シグナル通り機械的に行った場合、統計的に見てリスクが小さくパフォーマンスが高い手仕舞いルールとしている為、基本的にシグナル通りに従う方が良いです

 

ただし、含み損や含み益を我慢するのが難しい場合は、半分だけ裁量で手仕舞いします。

自身のチャート分析や市況次第でここから大きく下げそう、まだ大きく伸びそう、といった状況は株価の動向を見ていれば頻繁にあります。

本来は裁量を取り入れるべきではないですが、ツールの仕様上、一部損益確定の検証ができません。

 

裁量による判断を一切入れずにトレードできることはシステムトレードの大きな魅力です。

しかし、裁量による判断に従った方が結果的に良かったという状況(結果論でしかない)を見た場合、シグナルに従うのをやめる、ストラテジー・システムトレードに疑いを持ち継続できなくなる可能性があります。

また単に単純すぎる作業が我慢できない人もいます。

 

統計的に優位性のある手法であっても、一部を切り取って見れば上手くいかないことは当然あります。

システムトレードは統計値に収束するように継続しないと意味がありません。

システムトレードを長期的に継続する為に、敢えて半分は裁量の余地(研究の余地)を残す選択はありです。

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